記憶の時空跳躍。
2016年5月7日より。
今更ながら一年前の京都ぶらぶらの記録。書きかけ放置し続けていましたが、今回コナンの映画が京都で、百人一首関連なので、始まるまでに…都が破壊される前に…。
記憶の整理です。他の旅の記憶も整理していこう。
主に遙時3と定家と猟銃。
2017-4-6 19:42
去年の皐月
◇
六波羅
「私が散ってしまったなら、悲しまれますか?」
六波羅蜜寺は、空也上人の寺。源平両氏の中心史蹟。
空也上人は教科書見た覚えがありました。それくらいの認識です。口のものも、葉っぱくわえてる??とくらいにしか思っておりませなんだ。南無阿弥陀仏の経だったんですね。
神仏業界に詳しい風華さんに説明をもらいました。サラッと古の風習や宗派話するのですが、こちらとしては新鮮以外の何者でもない。
「卒塔婆は空・風・火・水・地を表していますよ」って人生の今の今まで気にしたことも無かったです。卒塔婆なんてシャーマンキングの葉くんの初期装備という認識しかなかった。新たな記録の書き換えができました。
察していただければと(笑)
剃髪の平清盛坐像。教科書でよく見る像を生で見れました。
なぜ六波羅蜜寺に来たのか。
ここいらが遙時3でイベント発生した場所だから。
「身を隠すなら町中。特に六波羅は悪くないね」
ってヒノエもいっていた。
六波羅蜜寺なのかは不明ですが、
十六夜では白銀が初登場する場所でもあります。冒頭の台詞は白銀のもの。
時空跳躍して過去に戻れば焼け野原となった六波羅の跡地でヒノエが仲間になりますよ。
――清盛・重盛に至り広大な境域内には権勢を誇る平家一門の邸館が栄え、その数五千二百余。寿永二年(1183年)平家没落の時兵火を受け、諸堂は類焼し、この六波羅蜜寺の本堂のみ消失を免れた――
密寺リーフレット(最後 に冊子一覧添付してます)より。焼け跡で闇市になっている六波羅ですよね。
この辺りのこと言っていたなぁ、と思うと感慨深い。このあたりでヒノエふふふ。と、あれ?まるで私ヒノエ大好きな人みたいですね。好きですが、熊野少年が好きなので敦盛もセットでよろしくお願いします(挙手)。
敦盛のゆかりの場所もどこかにあるんでしょうね。青葉の笛関連とか。それはまたいつか。
源頼朝、足利義詮による再興をはじめ火災にあうたびに修復されつづける源平の歴史がある場所です。なるほど。
あじき路地
序盤で遙時話題にしてるのに代打バースはドドメチョイスしてます。
蜜寺の近くにある職人小道。上の続きですが、ヒノエが「六波羅に潜んでいた」とあったので勝手にこの当たりだと良いなと妄想していました。
路地はそれぞれ小さなお店……職人の庵のあつまりです。
ここは麻生みことさん著『路地恋花』という漫画の舞台となった場所です。
町屋をお店にしているのでほんとうにこじんまりとしたたたずまいが可愛い。他にもパン屋さんや帽子屋、「今出かけてます」と札の出ていた何かのお店。心くすぐります。
今回はドライフラワーのお店と、月明かりの研究所という照明屋さんにお邪魔しました。
清水寺
インスタントカメラで撮影した写真です。
向かいから撮ったら大抵舞台は人ぎっしりですね。
新緑が綺麗でした。
随求堂胎内めぐりとオルフェウス。
「目・耳・鼻・舌・身と意(こころ)はどのように動くのでしょうか。暗闇の中で一点の光明を発見したとき、 心身の新生を覚えるに違いありません」(チケットうらの一文引用)
ひたすら暗闇の中で一つの明かりを見つける安堵は、我々二人そろって五島で体験しているので、暗闇といえど、人の気配のひしめく中では見えなくても人の居る場所である安心感はありました。
中学生の頃に来ているのですが、この暗闇に恐怖を覚えたことはないんですよね。何故か。
「これは柚子沢さんの手ですか?」
暗闇の中で風華さんの声が聞こえて、ならばと、手を繋ぎました。しかし、繋いだ手が本当に互いのものか。なるほど。これで違う人の手を握っていたらそれはそれでいいネタなのだが、それはなく。
繋いだ手が本当に思う相手のものか?
オルフェウスとエウリュディケの神話を取り上げたのも記憶に新しかったので、オルフェウスの疑惑とはこの気持ちなのかな?という見解が広がりました。そういえばオルフェウスは振り返ってはいけないとは言われたが、言葉をかけなかったのだろうか?
「手を繋ぐ?」「お願いします」で意思確認をして繋いだから、その手が風華さんのものと思えました。あの神話はどうだったか、また気が向いたら詳しく調べようと思います。すこし疑似体験できて楽しかった。
ロームシアターにて。中/谷美紀さんの『猟銃』。
そもそも今回の旅行の発端でもあります。以前風華さんが気になると言っていた演目で、2016年に折りしも再演が叶った作品です。風華さんは一度関東圏で舞台は見ていたのですが、聞くに私も気になりました。
残りの公演は京都か福岡。その時は私ももう一度いう風華さんと紆余曲折、神奈川福岡の間を取って……
「よし、京都へ」
二週間前にそんなノリできまったのでした。
井上靖著の『猟銃』。ある男の13年間の不倫が三通の手紙によって暴かれる。妻のみどり。愛人の彩子。愛人の娘薔子。
この舞台では中谷さん一人が三人の役を演じられています。
薔子の手紙。実の母親や大好きな叔父夫婦。しかし自分の知らないところで母親と叔父が不倫をしていた。目上の人間が完璧で居て欲しいと思う潔癖な心がこの事実を受け入れることが出来ず苦し みの手紙。裏切りに傷ついた少女の震える声音。
薔子の舞台は詰めたい玉砂利の水辺でした。蓮の葉がありましたが、まるで三途の川らのようです。昇華できない怒りと悲しみを小さな灯火をともしては消して。綺麗で、そして心もとない不安定さを感じる舞台でした。浸した足が掻き分ける水の音。スカートの裾が浸り滴る水音。寒々しさは薔子の心のようです。
薔子の告白がおわり、清楚に結っていたみつあみを解く。少女の服を剥いだ下には真っ赤なスリップ姿。
ねっとりとした口調。傲慢で有閑マダムのような妻のみどり。夫と従姉妹の彩子が密な仲になっていると知り、裏切りと、そしてその事を秘密にしようとする二人へのせめてもの愉悦。その実未だに夫を愛 しているが故の切り裂かれるような叫び。ああ、この人はまだ夫を変わることなく愛している。
みどりの舞台は乾いた玉砂利。動くたびに石のこすれる音が、無機質な痛みを感じます。玉砂利の上を素足で歩き、感情が吐露されるたび苦しそうに横たわりもがく。石の上の痛みがみどりの心なのかなと思いました。
みどりの手紙が終わると共に後ろを向きスリップの肩紐をはずす。真っ赤な色が取り払われ、裸に近い姿で舞台に立つ。
箱が下りてくる。中には着物。
彩子の告白は静かに語りかけながら、死に支度をする。
美しいと感じました。
白に身を包む姿は潔白なのに、その実、不貞を犯し、その相手にすら核の部分を見せることなく、真の悪人たろうとした。その生涯も幸せだったと、この世を去る間際の遺言。
舞台に鏡はありませんでした。
中谷さんは何も見ずに着物を着つけられていました。
そして、この着物をまとい終えたら、身支度が整えば、彩子は死ぬのだろう。
そうした余命の表し方がとても美しい。
舞台から降りることも袖に入ることも無く、三人の女性を演じ分けた中谷さんの演技力に感嘆するばかりです。
事前に原作を読みましたが、そのときはどの手紙も淡々と読み上げていましたが、この舞台を見てあらためて小説を読むと、どうしてこれが淡々と読めたのか、と不思議になります。
原作と合わせて門田のことなど、まだまだあるので別口であらためて書き残したいと思ってます。もうそろそろ見てから1年経つのでそれまでには…。言うのは唯。
嵐山ぶらぶら
インスタントカメラで。
常寂光寺
一つ目がアイフォン。二つめがインスタントカメラ。色味はどちらも好き。
「定家ゆかりの場所」
風華さんから度々名前の聞く藤原定家。風華さんが常々見たいと行っていた能の「定家」では蔓となって絡みつく。なんというか、面倒な方ですね。それを風華さんに言ってしまったら「定家じゃなくて式子内親王さまが好きなので。定家はむしろ面倒くさい人だと思います」。あ、よかった。
新緑の頃だったので青紅葉がとても綺麗でした。
藤原定家は小倉百人一首を選定した人物。
しかしながら定家のイメージがとうらぶの歌仙ちゃんで固まりました。
ちょうど催しで「百人一首 歌仙絵の世界」なるものがあって三十六歌仙に触れたこともあるので。宇都宮頼綱が定家に「襖に貼る色紙を作って」と頼んで生まれた百人一首。定家もはじめは「えー」といいつつ何だかんだでもやってくれたらしいのが今に至る。って説明聞いた気がする。
常寂光寺の上の方にあります。跡地の碑。
百人一首に触れたのどれくらいぶりだろうか。『ちはやふる』を読んではいましたが、競技カルタの世界ばかりを見ていたので、あまり句には目が行ってはいませんでしたから。学校であった校内大会の時意以外では坊主めくりしかした覚えがない。
百人一首に特化した時雨殿では入場券がランダム句となって、私は春道列樹(はるみちのつらき)の一句でした。ちっちゃく以下の発券まとめにのってます。が、しかし、
「……誰?」
平安末期の歌人で、下級の受領の人らしい。出会いの一句は散りたまる紅葉の美しさを歌った一首でした。水の流れにせき止められる、流れることの出来ない紅葉は少し物悲しいですね。
百人一首は恋の歌が果然多い。次に秋の歌。この物悲しさや苦しさが歌の動力となるのでしょう。
能の『定家』で蔦に囚われる式子内親王。僧侶に助けを求めるが最終的に定家と共に居ることを選ぶ。時雨殿の係員の方の説明を聞く限り、拒むほどの年齢差ともいえなかったみたいです。が、それでも隔たりと感じたのでしょう。昨今では加○茶といい、年齢差あまり驚かなくなってしまっていますね。
でも昔鋼のロイエドは1 4歳差というところを重くかみ締めた覚えもあります。っとちょいちょい別口の腐った事情も放り込みます。
渡月橋
人いっぱい。
「新八茶屋」のジェラート。
新八っていうと真っ先に『銀魂』の新八くんが出てきます。
以前別件で京都へ来たときも気になりつつも行けなかったピスタチオとレモンのワルツ。名前は和風なのにハイカラなもの扱ってる。
ピスタチオ味のアイスというと『ジゴロ・イン・ニューヨーク』という映画で「彼(ジゴロ)をアイスのフレバーに例えると?」
という質問に対し、
「ピスタチオ」
ドヤァ……ッ、と返したお客だった女性の台詞が思い出されます。あれ見て以来、アイスのピスタチオ=ジゴロと頭の端っこで思いつつ、美味しく頂きました。
野宮神社。
黒い鳥居の神社でした。源氏物語関連の場所です。
他、落柿舎。カモネギセット。
諸々行き先で貰うリーフレットやチケット。
こういう旅の記録のときは成るべくインターネットで調べるよりは現地の人の話やリーフレットを元にしたいと思います。
就学上、紙の媒体が至上の 記録媒体であるという信条ですから。これを書き終えたら手放すものもいくつかありますし。
唐突に決めてお互い夜行バスでの京都に乗り込みでしたから、帰りもソレ。
駅に映り込む京都タワーを見送りながらこれにて解散でした。
京都はいろんな作品の舞台なので別の機会の分もいつかまとめたいと思います。
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