『同級生』
中村明日美子さん原作のBL映画。
原作未読。
背景の水彩感が素敵です！
まずこれ。雨の日のコンクリートの水の流れ方とか、ロッカーの錆具合、高架下の水垂れの変色。教室の勉強机の卓上の陰影光彩。背景が年月を感じる古び方をしていて、それがより自然でいて際立つ。
白も、いいんですよ。晴れ空に青をほぼ載せず、室内からパッと観た夏の快晴の、眩しくて白い光の塊みたいな感じですよね。空が青でなくても眩しい青空を感じる。背景仕事しろの白じゃなくて、白っていう仕事してる白がとてもきれい。語彙貧困で語尾が凄いか綺麗でしかしめられませんが(笑)
前より３列目陣取って観て見ると、スクリーンいっぱいの水彩画が見ることが出来て、しばしば美術館感覚でした。
中村さん調が凄く丁寧に描かれていたように思えました。
キャラクターも可愛かった！
原作はシリーズ通して未読なんですが、雰囲気として明日美子さんのキャラクターだ、と思える表情や動き方だった。
キャラクターの話するならば、「ハラセンを誰かもらってやってくれ」と、思いました。
柑橘ティーンズは始終可愛くてじれったいがそこがいいってニヨニヨしてます。砂場でじたばたしてる時凄く可愛い。
で。一番どきっとしたのがハラセンの大人の色気あるのに臆病な攻め入り方でした。掌で口を塞いだ時とか、眼鏡外すまでのゆっくりとした焦らしかたやらしい。抗うも逃げるも猶予はあるんだぞってしつつ逃がさねえって狡さというか、教師と生徒ってお経のように唱えてるんだろうなーあの時って思えて、余計この間男演じてるこの人、誰か幸せにして、と思えました。
石川さんの高校教師って金色のコルダの金やんかよって、ピアノ引けて美声の音楽教師！とか変にときめいていたんですが、別段音楽教師とかじゃない、ですよね？くそ良い声しやがってからに。
