大人だって、昔は子どもだったんだよ。


今日は、昔話をしようと思います。
もちろん私の昔話。もう10年以上も前の話です。


私の家は、私が小学校に行くのと同じ時期に、1匹の犬を飼い始めました。名前をコロといいます。よくある名前です。


彼はまだ元気に生きています。よく考えたら今年でもう15歳になるんですね。すげぇ。



それはさておき、コロという生き物は不思議な生き物でして、こいつはホントに犬なのかというくらい鈍感なんです。

寝てる時は叩いても起きないし、
名前を呼んでも振り向かないし、
野良ネコが近づいているのに全く気がつかないし、


今となっては歳のせいと言えるのですが、若いときから、ずっとそんなでした。




でも、そんなコロにも、やはりこいつは犬だ!と思わせる一面がありました(あまりにも哀しい言い回しですね)。それは、家族が家に帰ってくる気配を察することができるというものです。



コロはたいてい、家の玄関にリードをひっかけていたので、玄関の前で家族の帰りを待っているんです。


私が小学校から帰っていると、自分の家が見えてくる。家の玄関は、家が見えるのとほぼ同時に見えるので、必然的にコロも見えるのです。



そして驚くべきことに、私がコロを見つける時、確実にコロは既に私を見つけているのです。だいたい60b以上離れているのに、犬の視力は0.1くらいなのに、コロはいつも私を一点に見つめているのです。



ちなみにこれは10年以上過ぎた今でも変わっていません。コロはずっと変わらずに遠くから僕の姿を「見て」いるんです。




私はそんなコロの力に驚いたり、呆れたりしながら、それでも凄いんだってことは理解していました。




そしてある時、いつものように家が見えてきて、いつものようにコロが私を見ていました。その時、私はふと足を止めて、そのままコロがギリギリ見えなくなるまで、後ずさりをしました。そして思ったんです。


「僕にコロのことが見えない時、コロに僕のことは見えない」と。

そりゃそーだ。と思うかもしれませんね。


でもそのことが、当時の自分にはとても面白く、いつまでもコロが見えるスレスレのところで行ったりきたりを繰り返して遊んでいました。




…これ、実際は違うんですよね。

例え自分にはコロが見えなくても、コロにはきっと僕の肩や頭が見えていたんだなって、気付いた時にはもう小学校3年生でした。




そこから、いろんな物の見方が変わったのを覚えています。





はい、これだけ。おしまいです。

自分でも何が言いたいのか、よくわかんないんですけど…。

何となく、心に留めておきたいことであることは確かな記憶です。


読んでくれて、ありがとね。