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語り手は、男性?女性?

ポッドキャスティングって、知ってますか?


聞いたことはある?


まぁ、仮に知らないとしても、今回の話になんら問題はないんですが、ポッドキャスティングの中にあった、ちょっとした物語。


最近、ナポリタンナポリタンって念仏のように唱えてたら、ふと思い出した1年以上前の、長さにすればほんの10分程度の物語。


これが、なかなか印象深い。


今日はそんな話を、僕なりの解釈で。ちょっと長いけど。






ナポリには、ナポリタンは無いそうです。


え?一般常識ですか?


でもあるって思ってる人きっといると思う。


ナポリにナポリタンが無くて驚いたと言いながら彼女はイタリアの一人旅から帰った。


一人旅を選んだことに、語り手は複雑な心境だった。つい最近まで、一人で何かをするなんて不安で何もできない、そんな雰囲気をかもしだしていた女性の一人旅である。


じゃあせっかくだから、と、語り手はお昼にナポリタンを作り始めた。ナポリタンなら、有り合わせの材料で直ぐに作ることができる。


彼女はイタリアの思い出話を始めた。語り手はいざ料理を始めたものの、よく考えたら、正確な作り方を知らないことに気付いた。調味料のバランス、白ワインは?…しかし作るうちに、そんなことはどうでもよくなった。正確な作り方をしらなくても、有り合わせでも、それなりに美味しく出来上がる、それがナポリタンだ。


出来上がったナポリタン、お土産のチーズ、生ハムにオリーヴをテーブルに並べた。ビールをグラスに注いで盛大に乾杯。


彼女は、大学の時から、どこにいるにしても、誰かしらと一緒にいた。そしてそれは社会人になってからも変わらなかった。彼女の周りには、常に彼女を愛してくれる人が側にいた。そうしていないといけないような不安定さを、彼女は持っていた。


そんな彼女が、半年前、離婚した。子どもはまだいない。


彼女は初めての一人暮しを余儀なくされ、そして今回は初めての一人旅である。


彼女は語り手の作ったナポリタンを絶賛した。ナポリで食べようと思っていた味だと。このナポリタンなら、いつかナポリにナポリタン専門店が出せるかもしれないと。ナポリタンを求めてナポリに来た日本人観光客にウケるのではないかと。彼女は真剣に言った。あんまり真剣に言うので、語り手は笑い出す。彼女も一緒になって笑っていたが、ふと真面目な顔をして、こんなことを言った。


「そこに行けばあると信じていたものが無いってのは、そう珍しいものでもないのかも知れないね」


語り手はその言葉を茶化した。彼女の言っていることが、よくわかったから。


そこに行きさえすれば幸せが待っていると、私たちは無意識に思い込んでいる。

あの学校に入れたら、

あの会社へ就職できれば、

あの人と交際できれば、
あるいは、
結婚できれば、

家族を作れば、

欲しいものが手に入れば…。


もちろん、その先にきちんと幸せが待っている場合もある。しかし、そうでない場合もある。そのことを、彼女も語り手も知りつつあった。


ナポリにナポリタンはありません。
フランスにフランスパンはありません。
アメリカにアメリカンコーヒーはありません。
彼女は、意味もなく、根拠もなくそんなようなことを言った。


「無ければ作ればいいのよ」


語り手は、フォークでナポリタンを指しながら言った。有り合わせの食材でも、正確な作り方を知らなくても、ちゃんとこうして出来上がる。二人はそれを、美味しいと感じることができる。


作ればいい。そう彼女は繰り返し唱えていた。その妙に子どもじみた顔を見て、語り手は悟る。


一人でいることがあんなにも似合わなかった彼女が今、一人でしか得ることの出来ない何かを、豊かさとか幸せとかそういうことを、作り上げようとしているのだということを。





…というお話。ずいぶん原作に忠実に書いた気がする。


原作が気になる人は、言ってもらえればケータイに入ってるから、いつでも聴かせるよ。




1年以上前から納得はしていたけど、やっぱり考えると難しい問題ですね。




この話に関しての感想も、ホントは書きたいけど、さすがに疲れた(笑)また今度。




そういえば最近はオススメを日記にすることが多いですね。今の自分の意見にはイマイチ説得力が無いので、こういうのもありでしょう。




みんなはこれを読んでどう思った?
そしてそれ以前に、ここまで読んでくれてどうもありがとう。

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