六角メガネ


自分が将来、どんな仕事をしたいのか、どんな大人に成りたいのかなんて、ちゃんと考えたことなかった。

だってそれは、何の現実味も無い、夢、だったから。







僕に夢なんてありません。あるのは現実だけです。

現実を、どう乗り切るのかだけが、僕の生きるテーマ。

やりたいことなんて、実際は100分の1も出来やしない。

僕の希望が通るなんてことも、そうそうない。 

だから、僕は現実を生きる。

夢を見たければ勝手にしろ。

そんなのは現実から目を背けたやつがすることだ。 






残念、はずれ。





夢のない人間が、現実を生きていけるのか。

夢の無い人生の、どこが楽しいのか。

夢を見たことがない人間はいない。

でも夢はあまりにも遠すぎて、向き合うことがただただ嫌だった。

そしていつしか、考えることすら、止めてしまった。

だって、向き合うより、諦める方が簡単でしょ??




怖いんだ。






夢を口にすることが怖い。 


夢を考えることすら怖い。


怖くてしばらく考えてなかったら、夢の考え方を、忘れてしまったよ。




つづく。