ニコルは東京に来て長い。

彼の部屋に現れる同居人にも、もう慣れっこ。

「そもそもイギリスからついてきたからな」

「 そう。どんなひとです?」

「ジェイソンに似てる」

ニコルはそう言う。

「怖いですね」

「怖くないよ」

肩をすくめるニコル。

「ジェイソン、ジェイソン・ステイサムに似てるだけさ」

くだらなさに鐘子はそれ以上突っ込む気になれなかった。