マグニートー(イアン・マッケラン)の脅威も消え、平和な生活を取り戻したかに見えたアメリカで、ミュータントによる大統領暗殺未遂事件が起きる。これにより再びアンチミュータント運動が加熱した。『ミュータント登録法案』の早期可決を求めて動く人々。その騒動の中、元陸軍司令官のストライカー(ブライアン・コックス)が不穏な動きを見せていた―…。

いや〜…。やっぱすごいっすわぁ、アメコミ!そしてハリウッド!!
アクション・SFの分野にかけては、ハリウッドを超えるのは難しいだろうな。これはほんと、すっごいです。ストーリーもすごく良かった。
人間とミュータントの共存ができているように見える世の中。けれど、まだまだミュータントに向けられる敵意は多い。ミュータントの存在を消したい人間もいる。病気扱いする人間も。
気持ちはわかるんですけどね。やっぱり、壁を通り抜けられたり、姿を消せたり、テレポートできる人間は、怖い。その力を悪用しないとは限らないもの。だからって全部を一緒くたに攻撃して消し去ろうとするのは、どうかと思うけど、気持ちはわかる。

「憐みを持つんだ」

「憐みなんて、とうに忘れたわ」

ストーム(ハル・ベリー)は普通の人間を怖いと言います。それに対して憐みを持てと言うナイトクロウラー(アラン・カミング)(この“憐みを持つ”に関しては、『X-MEN』でもプロフェッサーXが言っています。作品のテーマみたい)。しかしそれを忘れてしまったストーム。
彼女は『X-MEN』から通して人間を恐れている。よほど何かあったんだね。

人間からの攻撃に対して“報復”を行おうとするマグニートー。対して“共存”を目指すプロフェッサーX。
どちらも目指すところは一緒。結局、二人ともミュータントが暮らしやすい世の中を望んでいるんです。マグニートーは確かに暴力的だし攻撃的だし、尊大だけど、そんなに悪い人ではなさそう。
私がミュータントでどちらに着きたいかと言われれば、プロフェッサーのところに行くと思うけど、プロフェッサーは優しすぎる。パイロ(アーロン・スタンフォード)がマグニートーの強さに惹かれる気持ちもわかるな〜。

ラストは「殺さない。…でも救いもしない」。
彼を生かしておけばまた同じことが起こると思うし、これは仕方ないのかな。