早く終わらないかなっていう気持ちは、
恥ずかしくて、
恥ずかしくて、
恥ずかしくて、
たまらなかったから。
ボクから出てくる声とか、
お尻で感じるシウォンの熱いものとか、
擦られてきもちよすぎるボクの熱いものとか、
そういうもので死んじゃいそうなくらい恥ずかしかったから。
『あ、あ、あ、』
こんなに強く擦られたことなんてない。
そもそも誰かに擦られたり吸われたりしたことなんてない。
自分で触るのとはまったく違うんだ。
『あぁ、あっ、んんっんっ!』
これがセックスってものなのか、なんて思ってる自分がまた恥ずかしくて死んじゃいそうだった。
もう、何を考えても恥ずかしくて恥ずかしくて、恥ずかしくて。
やっぱり思うんだ。
お風呂に、入ってからのほうがよかった。
ああ、恥ずかしすぎて、死んじゃう。
『どう、きもちいい?』
なんか余裕がある聞き方だな、ちょっと腹立つ。
でも、きもちいいんだ。
本当に、こんなのは初めてだ。
不思議なもので、さっきボクのなかに入ってきたあの部分が疼く気がするんだ。
生まれて初めてあんなことをされたから、ソコが目を覚ましたというか、
とにかく疼く気がする。
入り口じゃなくて、奥がムズムズする気がして。
あんなところに指でだって痛かったのに、シウォンの馬にも匹敵しそうなそれを入れられたりなんかしたら、
喉から腸と心臓がでてきてしまう。
シウォンは、どうなの。
聞けやしないけど。
まともに喋れなんかできやしないから。
キミは、ボクで気持ちよくなれるの?
入れてないけど、気持ちいいものなの?
『しうぉ、んな、っ、あ』
ほら、名前すらまともに呼べない。
お尻にあったものが、いつの間にか足と足の間になってる。
ボクの足と足の間でシウォンが行き来している。
これもものすごく、エロくないか?
ねえ、シウォン、もうダメかも。
キミのそれが刺激的すぎる形で、やっぱり恥ずかしくて死ぬ。
逃げたい。
でも、もう、逃げたくない。
シウォン、キミからもう、逃げたくない。
『シウォナ、』
おお、言えた。
彼の顔がボクを覗いてくれる。
一度体の揺れが止まって、キスをくれた。
お互いに呼吸は荒いんだけれど、優しいキスをくれたんだ。
『きもちいい?』
キミは、どうなの。
教えて。
中には入ってこないのに、きもちいいの?
『きもちいいよ、お前と重なってるだけできもちいい。』
そう言うけど、本当はどうなの。
って、思うんだけれど、
彼の顔は素直にボクに喜んでくれている顔をしていたんだ。
ボクに陶酔しているような、うっとりしてくれている、あの顔。
だから逆にね、また少し申し訳なくなった。
『ごめん、今度は、ちゃんと、』
入れて貰えるといいなとは、思うんだけれど。
毎度こんなだったら、やっぱり物足りなくなるだろうと思う。
いや、わかんない。
わかんないな。
だってボクに入れるであろうそこは、女の子のアレとは違うんだもの。
ああ、ダメだ、ボクはなにを考えているんだ。
また恥ずかしくなってきた。
『いい、今だってちゃんとしてくれてる。』
ボクがなにを言いたかったのか、分かったようだった。
肝心なところは、本当に優しくしてくれる人だと思うよ、キミは。
でもね、キミはボクに臆病になる癖があるんだ。
今も、それなんじゃないかなって、思う。
ボクが痛くてもうしないとか、嫌いだとか、バカとか、そういうことを言ってしまうことを恐れて、今を満足しようとしているんじゃないかって思ってしまう。
『でも、』
『いいんだ、キュヒョナ、』
足の間がベトベトだ。
全身、不快なものでいっぱいだ。
でも、彼はまた、優しいキスで愉快にしてくれた。
ボクの心を。
ねえ、シウォン、キミはもっとボクの内側に来てもいいんだ。
おいでよ、仲良くなろう。
その線を、跨いで来て欲しい。
『キュヒョナ、聞いて、』
彼の手が、ボクの頬にやってくる。
それから目を覗かれて、きちんとなにかを伝えてくれようとする。
『今だいじなことは、お前を壊さないことだ。』
優しく、優しく見つめてくれる。
なんだか、言葉の通りに。
『俺たちは終わるために一度は望んだけど、今は真逆だよ、』
声も、優しい。
とっても、優しい。
いつだって、優しいのに。
『お前に合わせられないようじゃ、きっとまた傷つけるだけになる。』
何でも合わせようとしなくてもいい、率直にそう思った。
キミの我慢も、心配だ。
『キュヒョナ、お前がこんなに近づいてくれたのに、俺が遠ざけるようなことはもうしたくない。』
まただ。
ほら、優しいのが仇になるよ。
もっと、もっと、そう。
強引でいいのに。
『それが俺がすべきことなんだ、他とは違うことをお前に示してやれることが、さ。』
他。
これまでの、人。
『本当に、だいじな人になってるんだ、お前のことが。』
彼は、ボクのどこかに忘れてきたような手を拾ってきて、自分の唇に寄せてきた。
そして祈るように、目を閉じた。
胸が、ちょっと苦しくなった。
自惚れてもいいかな。
愛されてる、なんて。
シウォン。
キミは、優しくて酷い男だ。
きっともう、キミから離れらない。
僕たちの間にある線を、結局はボクに跨がせたね。
『シウォナ、』
彼の唇にあったボクの手を退けて、彼の視線もボクにまた向けさせる。
ボクを、見て。
『シウォナ、今日はごめんね、やっぱり最後まではあげられない。』
彼は、うんと頷いてくれた。
ありがとう、シウォナ。
『でも、また、試してみて欲しいんだ、』
聞き分けよく、また頷いてくれた。
ありがとう、大好きだよ。
言えなかったけれど、恥ずかしくて。
『いつだって、来て欲しい、ボクの、内側に。』
ボクはもう、キミの内側に入ってしまったつもりだけど。
だからこれから、キミの内側を見て回ろうと思うんだ。
言っていて、また恥ずかしくなってきた。
顔が熱い。
でも、一言出け。
もう、今日は言わないから。
それがボクの、キミに示せること。
『シウォナ、ボクはもう、キミに夢中だ。』
悩むのも、腹が立つのも、全部キミに夢中だからなんだ。
ボクの体で、いつかキミがもっと、ボクに夢中になってくれたらいいのに。
これはさすがに恥ずかしくて一生言えやしないけれど。
『シウォナ、おいでよ、ボクを連れていけ。』
体の揺れがまた、再開する。
でも、心は揺れないんだ。
しっかりと、彼に包まれているから。
『あ、あぁ、』
背中から覆い被されて、ボクの足の間にはキミ。
それから、ボクを掴んで一緒に楽しませてくれている。
『あう、あ、はんっ、』
耳元で囁いてくる。
ボクの、名前。
『しお、なぁっ、あ、しおなぁっ』
見えないけれど、彼の唇はきっと笑っていてくれている。
『ダメだめダメっ、いく、』
足の間で、キミが大変なことになっている。
いつか、いつかね、準備ができたらキミのそれで感じてみたい。
その時は、キミの顔も見せて欲しい。
そして一緒に、あっちにいこう。
『しおなぁっいっしょに、いっしょに、』
ボクを握る彼の手を、掴んでた。
少しでも、一緒だってことを、感じていたかった。
ガンガンと激しく打ち付けてくる。
これが彼の力なんだと思うと、鳥肌が立った。
これにいつか、壊されたいと、願ってしまった。
彼がやってくる。
ボクで感じて、上り詰めようとしている。
ボクはもうとっくに、上り詰めていたんだけれど。
『キュヒョナ、』
名前を呼んで、ボクでイッてくれるまで、頑張ったんだ。
これぐらいは、いっしょに、そう、思って。
『ああ、』
彼に見せてもらった真っ白の世界。
一緒に飛び込むこの瞬間。
誰かと飛び越えたり、
誰かと飛び込んだり、
誰かとはみ出したり、
ボクにとっては初めてのことだったんだ。
それらが、シウォナ、キミとでよかった。
ありがとう、
声に出しては言えないけれど、
嬉しく思うよ。
ボクらの共同作業がまたひとつ、増えた夜だった。
次でラストです(*´-`)