「お父さん見て見て。私魔女になったよ。」
カナはそういってくるりと回る。一瞬でカナの姿は消えた。
「ばぁぁ。」
「うぉぉ!」
リョウマの背後にワープするとカナは大きな声を出した。
「便利な能力だな。お父さん後ろの不意打ちに弱いぞ。」
「えへへ。お父さんごめんね。」
カナは宙に浮きながら生足を伸ばして謝った。スリットの中を見せないようにランプはふよふよ浮いていた。
「伝令ー。リョウマ様。」
リョウマとカナは賊の討伐に参加した。
「カナはたくさん活躍したよ。傷ついた人を安全な所へ運んだり。援護したり。討伐が終わった後お父さんがカナに「魔女をやめてお父さんと同じになれ」と言い寄られたの。」
半べそかきながらカナがシノノメに話した。ワープを使いこなしてたくさん頑張った妹の光景が浮かんでくる。
「カナどうして聖天馬武者になっている?彼氏でも出来たのか?」
「違うよ!カナはお父さんと同じクラスチェンジしたもの!でもプルフの調子が悪かったのか剣聖にならないで聖天馬武者になっちゃったの。」
「カナはそのまま聖天馬武者で頑張るのか。」
「いやだ。」
「剣聖」
「いやだ。」
「白の血族」
「いやだ。」
「カナが続けたいクラスになればいいだろう。」
「でもクラスチェンジしたことお父さんに知られちゃう。」
「父さんの目の届けない位置でクラスチェンジすればいいだろう。そうすればカにプルフをあげれるぜ。」
「お父さんの目の届かないところでそんな場所あったけ。」
「あるぜアンナのいる竜の門にな。」
シノノメはビラをカナに見せるとシノノメが行きたい異界のことを話した。