押し上げられる恐怖感。
それにまさる期待と興奮。

上昇気流がわざわざ私をのせてくれるという。
私のためではなく自分のために。
これに乗らないなんて、バカでしょ!


さっきまで一緒に朝っぱらから眠気眼で買い物してた先輩から、突然電話来て
「というわけで、来月目標達成することにしました」
と言われた。
「え?誰がですか?」
「あなたが」
「私が?!」
できるわけない!
私のいまとりあえず目指しているところは、最初のハードルだけど、今月の感じからするとまだほど遠いとこに思える。
今月自分に与えたノルマだって死に物狂っても難しそうなのに!
「プレッシャーに感じないで大丈夫です。8割俺がやるから。狩野ちゃんは1割やればいい」
「はぁ…(計算あわない…)」
「あとの1割はAさんの仕事だから」←これもお世話になってる先輩
「…わかりました」
「大丈夫、これは俺とBくんとCくんの闘いだから」←うちのリーダーたち
「なるほど、わかりました。よろしくおねがいします」

この会話から私の決断の遅さ、覚悟の決め方がぬるいというのが如実に現れてて恥ずかしい。
覚悟が決まってないから決断も遅い。
何がなんでも達成したいって、本当に覚悟が決まってるなら出来ないなんて思ってる場合じゃないのに。


つまりはダブルスよね。
先輩vsBさんvsCさんで、先輩と組むのが私。
Bさんとこの子もCさんとこの子も、私と同レベルで、同じ女の子で。
長々かかっている女子組をここで一気に育てようという戦略ね。
喜んで乗ってやるわ!
超楽しいじゃんそんなん!!

負ける気がしない。
正直、女子組のなかじゃ私が最弱な自信はあるけど。
もはやこれは私に出来る出来ないじゃないのよ。
だって私には絶対言ったことは曲げない先輩がついてる。
負けないと言ったからには私を引きずってでも目標のハードルを越えさせるくらいのことはする。

Cさんだって言ってたわ。
狩野ちゃんならパワーかけられても逃げ出さない人だから大丈夫だって。
引きずられるくらいで最初のハードル越えられるなら引きずられるわよ。

引きずられて、自力ではなく目標に至って、なんの意味があるのかとも思うけど。
私は一度そこに至って、自信をつけるべきだわ。
もちろん、引きずられてるだけじゃつまらないから私も走ってついていくけど。


この話は実は勝ち負けじゃないのよ。
誰が越えるかじゃないの。
皆で越えたっていいわけ。
女子組皆で最初のハードルくらい越えてやるわ。
成功する鳥は群れをなして飛ぶと言うじゃない。

絶対やったる。
これからの未来は明るい!
ずっとこれを言い続けて生きていきたいの。