2012-11-26 00:38
※先の小話とは全く関係ありません
※高尾くんがロースペック
最近、真ちゃんの様子がどうもおかしい。
なんか落ち着きがないっつーか、そわそわしてる気がする。
ボーッとしてることが多くなったし、呼び掛けても反応が遅い。
部活中も考え事してミスしてるのをよく見掛ける。
何かあったのかと問い掛けても『何もない』の一点張り。
これをおかしいと思わない方がおかしいと思わねぇ?
最近なんて部活終わったらひとりでさっさと帰っちまうし…!
クラスも部活も一緒だからっつっても、やっぱ少しでも好きなヤツと一緒に過ごしたいって思うじゃん、普通。
しかも俺達恋人同士な訳だしさ。
キッツイ部活終えて、一緒に帰るこのひとときが俺の癒しなのに。
なのになんだよこの仕打ち。
俺、なんか悪いことでもしたのかな。
…知らず知らずの内に真ちゃんのこと傷付けてたとか。
嫌な思いさせたとか。
俺って結構お調子者っつーか、ノリが軽いところあるし…
真ちゃんからもよく『人事を尽くせ』とか『だからお前は駄目なのだよ』とか言われてたしなー…
…もしかしなくても、俺、
真ちゃんに嫌われちゃってる、………?
日頃だらしなくしてんのを見兼ねて愛想つかれちまった、とか?
普段からノリ軽くてチャラいとこあるから、嫌になったり…?
授業中も寝てること多くて真ちゃんに頼ってばっかだし…
…もしかしたら近々、別れを切り出されたり、とか…………
………………、
うああああああ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!
絶対に嫌だ!
真ちゃんに嫌われるのだけは絶対に嫌だ!!
誰に嫌われようと構わないけど、真ちゃんにだけは絶対に嫌だ堪えらんねぇ!!
真ちゃんに嫌われたら俺、マジで生きていけねぇよ………
でも最近真ちゃんの様子がおかしいのは確かなんだよな。
やっぱり俺、真ちゃんに嫌われてんのかな……
もしそうだったとしたら、俺はどうする?
何とか取り入って考え直してもらう?
いやいやそれはいくら何でも情けなさ過ぎんだろ。
真ちゃんから別れを切り出される前に俺から言うとか?
『別れよう』って?真ちゃんに??
いやいやいやいや無理無理ムリムリ!!
そんなこと真ちゃんに言える訳ねぇって!!!
何より自分から真ちゃんとの関係を終わらせたりしたくねぇ!
はぁ……どうしよう……
情けねぇな…俺って。
そんな悶々とした気持ちを抱えながら、どうしようもなく日々を過ごしていた。
………ら。
「高尾…今日の授業後、お前に話があるのだよ。少し付き合ってくれるか」
ついに決定的瞬間がやってきてしまった。
ああ……終わった。
短かったな、俺のセイシュン……
絶対別れを告げられる……
絶対愛想つかされてる……
絶対捨てられる……
最悪だ―――――
そんなことを思いながら、俺は残りの授業中を過ごしていた。
「………、へ?」
俺は目の前に差し出された紙袋を見て、なんとも間抜けな声を上げた。
そんな俺を目の当たりにして真ちゃんは、
「だ、だから…その、…た、誕生日、おめでとう…高尾」
頬をほんのり赤く染め、いつもみたいに自信満々な口調ではなく小さな声で、恥ずかしそうにそんなことを言った。
……………、
…アレ、何だコレは…
なんでお祝いされてんの、俺。
…てか、……え?
…お祝い?
お祝いって何の?誰の?
アレ…真ちゃんさっき『誕生日おめでとう』って……
…え?誕生日?
………、アレ!?
…そんなことを思いながらパニクってる俺には気付かずに、真ちゃんが口を開いた。
「…その、俺は友人や恋人にプレゼントを渡したことがないから、あまりいいものを選べなかったが…」
たどたどしく恥ずかしそうな口ぶりの真ちゃん。
「これでも、一生懸命考えて選んだのだよ……」
……え、じゃあ何、
プレゼント選びしてたの……?
ここんとこどうも真ちゃんの様子がおかしかったのは、
俺への誕生日プレゼントを考えていたせい……?
そんなまさか、でも、じゃあ、
「…じゃあ、別れるとかいう話は」
「?何故別れるという話が出て来るのだよ」
その瞬間、俺はようやくすべてを理解した。
「…高尾?」
黙ったまま喜びに打ち震える俺の顔を、不思議そうな表情で覗き込む真ちゃん。
その瞬間、俺の気持ちは一気に爆発した。
「ッ真ちゃん!!!」
「た、たか………!?」
スラリと細い真ちゃんの身体に抱き着いて、不意打ちキス。
「サンキュな、真ちゃん!スゲー嬉しいぜ!!」
「!!!」
顔を真っ赤に染め上げる真ちゃんを愛しく思いながら、俺はもう一度真ちゃんを抱きしめた。
俺、宇宙イチの幸せ者だ!
END
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遅くなりましたが高尾くんハピバ小説です。
真ちゃんが大好きすぎて悶々と考え込む高尾くんが書きたかった。
見事に挫折しました、はい!!!
反省はしている、しかし後悔はない。
ここまで読んでくださりありがとうございました!
(2012.12.18 編集)