作者 松田志乃ぶ
眠り姫「のばらノスタルジア」
「いばら姫」と母の実家の老舗ホテルの人間からあだ名で呼ばれている18歳の受験生の娘。
母親は、いない。
母が経営していた老舗ホテルは、「いばら姫」の父が継いで経営していた。
と言ってもほとんどが父親の恋人達と取り巻きに任せていた。
父親は、あまりホテル経営に熱心では、なかった。
母がいた頃は、ホテル経営は、良かった。だけど父の恋人達12人が長いこと経営すればするほどに落ちて経営不振になった。
経営不振を救うため父は、一人娘にお見合いして結婚させようとした。
お見合いの相手は、父の愛人だった女の人の義理の息子の大男。
事細かく流れが良かったです。
娘がお見合い相手と二人きりの時に途中で睡魔に襲われて眠り。
大男が実家のホテルに使われている物を娘に指摘する。食器が取り替えていないこと。壁が貼り替えていないこと。飾りの生け花がしおれている。料理は、安物の食べ物を使って味を濃くして誤魔化している。
大男は、ワーカーホリック。敏腕経営者だった。
娘に老舗ホテルは、名前だけで中身がまた行きたくなるホテル🏨になっていないことをどんどん指摘していく。
改装しなければ隣のホテルに客を取られるままになるとも。
極めつけは、「時代に取り残された老舗ホテル」と娘に気づかせる指導力は、見事。
娘は、経営に関わる大学に行きたかった。だけど周りから女のコに似合っていないと言われ諦めていた。
密かに独学で経営の勉強していた娘は、見合い相手の大男に指摘されて自分の目で実家のホテルを見てハッとなったり。目を瞠ることが多く。
自らスタッフと指導係の女の人に声をかけたりしているのです。
最後のところを読んで「のばらノスタルジア」には、「眠り姫」の登場人物がいて驚きでした。
見合い相手の母親が悪い魔女に見えたのに実は、「悪い魔女」に仕上げられただけで無実だっり。
小さな頃からお見合い継続中にお世話していた女の人が兄と結託して実家のホテルを傾くように経営していた「人食い王妃」だったのです。
お見合い相手と二人のときに急に襲われた眠気は、食べていたコース料理に睡眠薬を仕込まれていたのです。
睡眠薬を仕込ませたのは、「人食い王妃」のだったのです。
実家のホテルの庭園バラ園の🦔棘を指して眠気に抗って。
病院で起きた頃には、隣のホテルを経営していた二人の兄と妹の「人食い王妃」は、横領罪で逮捕されました。
その後娘の父は、妻の実家の老舗ホテルの経営を見合いしていた大男に明け渡して。
娘は、スタッフに混じって経営を勉強する傍ら大男との時間を作っては、過ごしています。
大男とは、密かに恋心を懐きながら。
また違う終わり方の「眠り姫」の現代版のお話しでした。