どうして?カナが
「うわぁぁぁ!お父さんの嘘つきー!」
カナは聖天馬武者の格好で泣き出した。
「剣聖になってないじゃない。」
カナは駆け出していた。近くの曲がり角で「痛い。」と妻の声が聞こえた。
「あらカナチェンジしたのですか?似合っていますよ。」
「違うよ!カナは‥‥カナは‥」
カムイをすり抜けて走り出した。
「カナ違うんだ!お父さんの子供なら剣関係になるんだ。待ってくれ!」
愛娘に待ってくれと叫ぶカナは振り向かなかった。リョウマの叫びが虚しく星界の城に響いた。
それからというもの
「カナ。お父さんと稽古しないか」
「お父さん。ごめん。シノノメお兄ちゃんと稽古する約束してるんだ。」
「おーい。カナ。」
「今行くよ。バイバイお父さん。」
カナはシノノメの元へ走り出した。
「カナ。桃をたくさん取れたんだよかったらお父さんと‥」
「ふぁぁぁお父さん桃はもらうからおんぶして。」
「あぁ。」
おんぶして三分で娘は寝息をたてた。
「カナ。一緒にご飯食べないか」
「いらない。先に食べちゃった。お兄ちゃんと遊ぶに行ってくるよ。」
何故なんだ。カナ。お父さんを避けてシノノメとばっかり過ごして。自分の息子に苛立ちを覚えた。
「兄さん!大変です!」
「カムイどうした?」
「見えない敵がとにかく一緒にきてください!」
カムイはリョウマを立ち上がらせた。
区切り。