マークスと言えば。真面目で。初対面の女性陣からは、見た目が怖いけど心優しく。ガロン王様よりも王として頼もしい。畏怖を覚えるが男性から慕われる。冷血で非道なことも恐れない悪の王族と思いきやレディーファースト。と色々そう思われた人の噂が立つなかで当の本人は。
「ヘックション!!誰か噂している。」
たった今マリッジプルフで妻ヒノカと同じ天馬武者になった。
「よし。よろしく頼むぞ天馬よ。」
天馬の頭を撫でようと手を伸ばすと
「ヒーヒン!」
「おぃちょっとまってー!」
天馬が空中に舞いあわててマークスが追いかけた。
「はぁはぁ。よし捕まえた。大丈夫だ怖くない。」
なお暴れる天馬。マークスは、手綱を離すまいとした。
「マークス天馬武者になったのだな。」
大きく翼を広げ手綱を離せといわんばっかりに空を飛んだ。
「おぃ。大丈夫だ。なにもしない大人しくしろ!!」
首を大きく振りマークスを振り落とした。
「マークス大丈夫か。」
「何故懐かないだ。まだ撫でてもいない」
「その前に手袋外したらどうなんだ。それでは、天馬も痛いだろう。」
天馬武者になってマークスは、まだ着替えていなかった。指先の尖っている手袋で撫でられたら傷がつく。
「天馬武者用の服がなかったのか。」
「あぁ。ほとんど竜騎士の鎧しかない。」
「鎧では天馬も重くて飛びにくくなるぞ。ツバキから服を借りようにもサイズが入らないだろう。リョウマ兄様の所へ行って借りに行ってこよう。」
ヒノカがリョウマの元へ走った。手袋を外し天馬に近づくも。イヤイヤと上半身を立ち上げマークスに威嚇する。また飛んで逃げたら捕まるのが大変だからじっとすることにした。
「父上ー!天馬武者になったのですね。」
「あれれ?服がそのままだね。マークスさんの天馬は?いた!」
ジークベルトとゾフィーがマークスの近くに駆け寄った。
「これが白夜の天馬か綺麗だな。」
ジークベルトが天馬に手を伸ばす。天馬は、鼻をジークベルトの手にこすりあわせると顔を突っついた。
「くすぐったいー」
「ジーク私にもハハハ可愛いー。 」
ジークベルトとゾフィーに天馬は顔をすりよせる様子を不思議そうに見た。試しに天馬に手を伸ばす。
「ブヒーン!!」
なお暴れてマークスを威嚇する。驚いた隙に翼を広げ天馬は、空を飛んだ。
「おぃ。まってー!まってー!!」
マークスが慌てて追いかける。
「父上が苦戦するところ初めてみる。他の馬なら信頼ができるはず。」
「天馬と馬じゃ少し違うよ。」
「ゾフィーの母上は、サクラ伯母さんだったな。姉妹揃って天馬武者の素養があるのだろ。」
「天馬武者になる気はないや。アヴェルのじゃじゃ馬でいっぱいいっぱいー。」
「ゾフィー来ていたのか」
「ヒノカ伯母さんアヴェルいた?」
「あぁ。今天馬の厩舎にいるぞ。」
「いつもありがとう。アヴェルってば私よりもマークスさんとヒノカさんの所へいるから探す手間が省けるよー。」
「アヴェルもやるときはやる馬だ。火事場のばか力も根性もあるではないか。そして乗り手のゾフィーはすごいぞ。」
「ほんとうヒノカ伯母さん。」
「あぁ。この間は、火事になった家に逃げ遅れた人がいないかアヴェルを乗って捜して救助した。天馬武者でも真似が出来ないぞ。」
「えへへ。ヒノカ伯母さんもっと言ってー。」
「あぁ立派だぞ。」
紅き戦姫ヒノカにべた褒めされるゾフィーを尻目にジークベルトの目線は男性用の天馬武者の服を見ていた。天馬は、何故父上を怖がるのだろう。
「ラズワルトありがとう。天馬止めてくれて。」
「いいえ。マークス様どうして剣が装備出来ない天馬武者になるのです。」
「怪我人を救出も出来る上に移動が自由になるからだ。」
「弓兵に遭遇してしまったらまずいですよ。」
「リョウマを盾にすればいい。」
「まぁリョウマ様も高い特効と回避が高いから頼れますし。」
天馬に留め具をかけさてどうしたものか。ジークベルトには懐かれて。自分には何故か懐かない。
「マークス様天馬になったと聞いて来たのよ。わぁ綺麗触らせてー」
「ブヒーン!!」
「暴れ馬には仕置きしてやるのよ!!」
槍を天馬に仕向けのをラズワルドは慌てて止めた。
「乱暴しちゃダメだよピエリ!」
「気に入らないの!!離してなのラズワルド!!」
ぎゃー!ぎゃー!と暴れるピエリをマークスが一喝してで落ち着きを取り戻した。
「はいどうどう。大丈夫だよ。」
ラズワルドに手伝ってもらい天馬の手綱を引かせ歩かせた。
「むぅーその天馬暴れ馬なの!言うこと聞かない子は嫌いなのよ!」
プリプリ怒るピエリ。
「ラズワルド天馬を落ち着かせることが出来るものだ。」
「知り合いの女の子の見よう見まねです。」
「知り合いの女の子も天馬武者なのか。参考に教えてくれないか」
「亡くなった母から天馬を継ぎました。女の子は明るくて正義のヒーローに憧れ天馬武者になりました。」
「母から継いだ天馬どんな天馬だった。」
「噂でしたか乗り手からはぐれた性格が難しい天馬でした。母の方は天馬を懐かせる才能がある人でした。」
「すごいの!でもどうしてママの方は亡くなったの?」
「敵国からの刺客から市民を非難させる途中で母の方が弓兵にやられて。娘の行き先を心配した母は、天馬を娘の元へ行くよう頼んだそうです。」
「娘は母とその天馬から大切なことを教えられたことが多いのだな。」
「はい。2代に渡って天馬の仲は良好でいました。」
「そうか。」
自分の性格上から天馬に懐くのは難しいだろうな。天馬に信頼されるまで天馬武者と呼ばれるまで時間がいる。
「マークス様天馬とコミュニケーションを取るなら水浴びとか」
「…あぁ。やってみよう。」
続く。