俺はシノノメ。白夜王国の王子。特技は槍と腕相撲。趣味は手づかみで魚を獲ること。あんまり王族らしくないって?自分が王族であることを知ったのは最近のことだから仕方ないだろう。
俺の家族を紹介をしようと思う。
父親はリョウマ。侍という人格を表した堅物で模範的な父親。正直俺からすれば苦手だ。秘境にいたせいかほととんど年が近い。一緒に歩くと知らない人から
「双子なの?」とか「どっちが兄で?どっちが弟?」とか聞かれる。顔の方は俺が上だ。どうしても答えるなら
「リョウマとは双子の兄だと」
尋ねた人に教える。
次は母さん。白夜王国軍を率いる大将を勤めている。父さんと結婚する前までは母さんは白夜王国第二王女で父さんとヒノカ叔母さんの妹だった。というのは表向きの話で。母さんは亡き祖父のスメラギの血が入ってない。かといって女王ミコトも白夜王国と関係がない部外者(にも関わらずスメラギはミコトを愛した。スメラギは白夜王家に迎え入れる程ミコトに惚れ込んでいた。亡くなったスメラギから王位を継いだミコトは国民から慕われた女王でいたそうだ。)
次は弟と妹を紹介する。
弟と妹の名前は二人して「カンナ」。妹は区別をつけるため愛称は「カナ」。
「双子でどうして別の名前にしないで同じ名前にするんだ。別に女の子には名前がたくさんあるからその中でもよかっただろう「ハゴロモ」とか「ボタン」とか「ツキミ」とか」
「男の子でも女の子でもいいように「カンナ」としか考えていなかったのもの。」
双子は両親が大好きで。軍のなかじゃ一番年下。双子だから髪色を除けば顔立ちは母親カムイに似ている。
「カンナ。そろそろ戻ろうぜ。」
「うん。今日も平和だよね。」
キュー。腹の虫の音が聞こえた。
「そっちは焼けているから食べていいぞ。」
「いただきます。あぐっ。」
捕った魚をはぐはぐ食べる弟。リョウマに似た髪を揺らしながら食べる弟。
「喉に骨をとおすなょ。」
「うん。」
「食べ終わったら火の始末をするぞ。」
「うん。」
カンナを肩車して城に帰るとリョウマとカナがいた。
「あっ。お兄ちゃんとカンナおかえりなさいー。」
カナが駆け込む。何時もの軽装の鎧の格好ではなく着物を着ていた。
「カナ何時もの服は?」
「お父さんが身立てってくれたの。似合う。」
その場で一回回った。
区切り。