「暇だなー」
ベットでゴロゴロしながらこぼした。ショウ叔父さんも伯父さん達もママもパパも屋敷にいない。リリアは一人お留守番をしている。
リリアはコレクションにしている人形と父からもらった食器を取り出してままごとでもしようとした。
「あっ。テーブルクロスがない。」
食器を並べてリリアが気づいた。リリアのテーブルクロスはアヤト伯父さんがふざけて汚して捨てられたことを思い出した。
テーブルクロスがないとままこどが出来ない。うーんと腕を組んで考える。
「あっ!」
リリアはテーブルクロスを借りれる心あたりを思い出して走りだした。
鍵でパパの部屋に入るとリリアは棚を手探りした。
「あった。これだ。」
上品な刺繍の布を取り出し広げてみせた。大きさはテーブルクロスとぴったり。これはショウ叔父さんとパパのママのベアトリクスが作った刺繍の布。
パパのママはショウ叔父さんから聞いたことでしか知らない。
「レイジは母親似だ。感情を押し殺すところも厳格で真面目なところが似ている。」
「絵はないの?」
「もうない。レイジが燃やした。」
パパのママの顔は知らない。だけどパパは何故かパパのママの作った刺繍のを持っている。刺繍は遊び終わったらまた元の場所に戻せばいいや。刺繍を持ってパパの部屋から出た。
続く。