久々にP4やってネタ小説書きたくなったので一本。
設定的には鳴上くんも陽介も大学に進学して一人暮らし。
互いに合鍵渡しあってて、いつでも互いの部屋に遊びに行ける。
ちょっと腐っぽい。一応花鳴……なのかな?
とんだ思いつきのネタ話ですがよろしければ追記からどうぞ!
アパートの前まで来ると自分の部屋のあかりがついていた。どうやら今日は相棒が来ているらしい。ヘトヘトに疲れていたがそれだけで一気に疲れが吹き飛んだ。
三段飛ばしで階段をかけあがり、部屋のドアノブに手をかけて回す。キィ…と古びた音が鳴りつつ開いた扉の奥にいるはずの相棒に声をかけた
「ただいまー!」
…………だが返事が返ってこない。
「……あれ?悠ー?いるんだろー?」
乱雑に靴を脱ぎ捨てて部屋にあがり、その奥にある扉を開けると……
相棒が、冷蔵庫の前で倒れていた。
「!?お、おい!悠!!」
慌ててかけより、倒れている相棒を抱き起こす。呼吸も脈もあるようだった。
「おい悠!しっかりしろ!何があったんだよおい!!」
揺すってみるが目を覚ます気配がない。
まさか泥棒にでも入られて襲われたのかと辺りを見回すが冷蔵庫が開けっ放しな事以外、なにも荒らされたような形跡はなかった。
「どうしてこんな…………ん?」
よく見ると、相棒の手には何かが握られてた。
「……何だこれ?」
相棒の手からそれを拾い上げて見てみると
「……キノコ…?」
なんだかよくわからない得体のしれないキノコのようなものだった。
冷蔵庫を見上げてみるとこれと同じようなものが生えていた。
……陽介はあまり料理をしないせいか冷蔵庫の使用頻度が少ない。最近は開けるようなこともしていなかったのでいつの間にか生えてきていたのかもしれない……。
だがそれよりも問題なのは陽介の手にあるそれに齧った跡のようなものがついていたことだ。
「……え、まさか……」
………………食ったのか……!?食ったのかこれを!!?え、嘘!??これを!!?
「ん……んぅ……?」
「悠!?」
動かなかった相棒が少し身じろいだと思うとパッチリ目を覚ました。
「あ、よーすけ。おかえり。」
「おかえりじゃねぇよ!おま、まさかこれ食ったんじゃねぇだろうな!!?」
相棒の目の前にさっきのキノコのようなものをずいっと差し出す。
「あ、うん。この世のものとは思えない味だった。」
「おまっ……バカだろ!!?いやバカだ!何してんの!??」
相棒は天然だなーと思うところは多々あったがまさか冷蔵庫に生えた得体のしれないキノコを食べるようなど天然っぷりを……ってかもはや天然で済む話じゃないだろこれ、どうしたらそんな思考になるんだ!!
「あーごめん…前に、叔父さんの家の冷蔵庫にも同じようなの生えたことがあって……懐かしいなぁなんて思ってつい……おかしいな…叔父さんのとこにあったキノコは食べられたんだけどな…気分悪くなったけど。」
「いや前にも食ったことあったのかよ!!!?」
いくらなんでもこんなゲテモノ食う勇気は…………いやこいつにはあったな。うん。というか、勇気の使い方がどっか間違ってんだよ……
「ごめん、陽介。帰ってきて急に倒れててびっくりしたよな…でももう大丈夫だから。材料買ってきてあるし、今からご飯作るよ。」
そう言いながら立ち上がると、まかせて!と言わんばかりにぐっと親指を立てた。
冷蔵庫に向かって。
「いや大丈夫じゃねぇから!!俺こっちだから!!!」
「あれ?クマ?どうしてここにいるんだ?」
「俺クマじゃねぇよ!!!つかさっきまでまともに会話してたじゃねぇかよ!!なんでだよ!おい!悠!!」
この時、陽介は固く誓った。
冷蔵庫、こまめに掃除しておこうと……。