オレンジの 月


彼が 言う


オレンジ色の


輝く月が 好き


夜の海に 舟を浮かべて 


島まで 漂うんだ



あきるほどの 星空に

  包まれる



次の日


日輪が 天頂に昇る頃


ペガサス と

火の鳥  と

ゼウス が駈けてく

あの丘 に


おまえを連れて行く

二人だけで


身体ふたつで


  虹を見るんだ



帰りの道は すっかり

 忘れるんだ




星空を 見上げて


おまえを抱きしめて

 ずっと 離さない



       アポローニア