左手で乳房を揉み、右手はそろそろ、と下半身に手を伸ばす。足の間、内股を撫ぜたい。秘所に触れたい。
オレが内股に触るのに驚いたのか、それとも流石に嫌だと思ったのか。ぐ、と力を入れて足を閉じた。恐らく、後者だ。
覚悟してきてくれたとはいえ、実際に体験するのとでは違う。
見ながらとはいえ、未知の領域には違いない。


「ダーメ。テレビと同じにしねェと」


映像は股を開いていて、男の手は股の内側をまさぐっている。女は羞恥の顔を浮かべてはいるものの、段々と恍惚の顔へと変わっていっている。



「ひ、ひゃあ、」


くん、と。足をこじ開けて、股の内側を指の腹で撫ぜたり、掌全体で撫ぜる。神楽も観念したのか、脚から力を抜いてくれた。
柔らかい。それでいて、とろけそうで。けれど、程よく筋肉もついていて、ようするに気持ちいい。
つつつー、と。徐々に下から上へと指を滑らせて、秘所に触れた。下着の上から、指の腹で擦り、撫ぜる。


「ふ、ふあっ、」


「どうでィ、触られんのいやかィ?」


「んーん、や、じゃない、と思う、ヨ…よく、わかん、ないネ」


少し、困った顔をして。でも、躯を擦り寄せてくる。
温かく、柔らかい。
密着させた躯。神楽の匂いが躯を脳を刺激して。
くらくら、と。
眩暈がしそうだった。

何度も敏感であろう柔らかい部分を擦っていく。
じわり、と。
指が下着が湿っていくのを感じ取る。
くい、と。
下着を指でずらしながら、直に触れるべく、滑らせるように指を侵入させる。
ぴちゃ、と。
微かに濡れている感触。
顔がにやけてしまう。少し、とはいえ濡れている。神楽はわからないと言っているが気持ちいいと躯は感じて、応えてくれているのだ。
一度、指を口に含んで唾液を絡ませて、再度直に触れた。
にゅるにゅる、と。
入り口を指で擦ると唾液に誘発されたかのように徐々に粘着質な液が指に絡まる。


「あ、やあ、んッ、」


神楽は少し、躯を暴れさせた。
それでも、オレが行為を止める理由になる訳もなく。
くちゅくちゅ、と。
音がするまで弄ぶ。


「ぬるぬる、してきたなァ。わかるか?」


「ん、ん…う、ん……ひゃあ、」


返事を待たずに指を一本、侵入を試みた。でも、指先が少しナカに入ったか、入ってないくらいで。神楽が一瞬、苦痛の顔を浮かべた。苦痛の顔は嫌いではない。寧ろ、見たい、という気持ちがある。
でも、今は苦痛の顔を見る為に無理矢理入れるなどをしたら、2度とさせて貰える気が全くしない。
そもそも、映像をなぞるように行為に及んでいるわけで。
逸れてしまっては意味がない。


「ん、ん、ふわあッ、」


ふい、と。
神楽が映像から顔を背けた。何でと思い見ると。
映像の女はすっかり服を脱がされ、裸になっていた。

裸。素肌。
服など遮るものなどないありのままの姿。

普段、同性の裸を見ること事態に抵抗はあまりないのかもしれない。実際、姐さんと温泉に入ったと聞いた事がある。だから、映像の艶めかしい、やらしい表情を見たから、顔を背けたのかもしれないな、と。
そう思いながらも。
オレは神楽の服を脱がせる。
チャイナ服。何やら、愛らしい下着。じっくり、焦らしながら脱がすことも考えたが。
自分が映像と同じ事をされるんだ、と思っているであろう不安げな、羞恥でいっぱいの表情がオレの背筋をぞくり、とさせて。兎に角、裸を見たい、という欲求でいっぱいだった。

白い、白い肌。白いとは知っていたが想像以上に白くて。障子を閉めて、部屋は暗がりとはいえ昼間だから明るい。その中でも浮き立つように白い。暗闇で見たら、白さも際立ち美しいに違いないと思った。陶器のように滑らかでしっとりとしている肌。けれど、仄かに櫻色に染まっている。
この肌にオレのモノだという証を付ければその証も際立って、白い肌も映えるだろう。
肌に吸い付き、すぐ様にでも証を付けたい欲求よりも櫻色の小さな唇に吸い付きたい。接吻を交わしたい。
映像を神楽が横目で見られるよう蒲団に横たわらせる。
ぽすん、と。
弱い衝撃だったにも関わらず、髪飾りが落ちる。
結わいている髪をほぐしてやる。するり、と。
持て遊ぶように指で掬うと滑らかに擦り抜けていく。
じ、と。
神楽の蒼い瞳を見つめる。
ふるふる、と。
瞼が震えているのがわかる。
始めはついばむように接吻をし、唇をなぞるように舐めて、神楽が苦しくて息をする瞬間に舌を侵入させて、神楽の舌とねろねろと絡めさせ合う。
つるり、と。
唇を離すと唇から粘着質な液体が互いを繋ぐ糸のように伸びて。
ふつり、と。
段々と身体を離していくと切れる。
とろり、と。神楽は唇の端からオレと交ざり合った唾液を溢している。
オレは恍惚としたこの表情が見たかったんだ。
可愛い。やらしい。美しい。そう思うのは惚れた弱みなのか。
けれど、普段、見たことのない表情。服を纏っていない裸。荒い息遣い。オレだけが見ることのできる神楽の姿。昂ぶる熱。押さえられない衝動。それらを全て合わせた気持ちは、惚れた弱みなのだ。
ああ。
出来るなら、何もかも奪って。
何処か誰もいないオレだけが知っている場所に閉じ込めて。
ふたりだけの世界に溺れられたらいいのに。
出来る筈もない事を想像し、反芻する。
ただ今は、神楽はオレだけのもので。此処にはふたりだけしかいない、と錯覚するだけで充分満たされていた。
オレも着ていた服を脱ぎ、裸になる。


「あんま、見んな、ヨ、ぅ……」


「ダメ、見せろィ」


接吻を終えた後、羞恥心が大きくなったのか腕で上半身を隠そうとしたので躯を互いの体温がわかるくらいに近付けて、それを阻止した。
ちゅ、と。
唇に触れるだけの接吻をして。
オレは頬、首筋、乳房へと舌を這わせて。乳房を執拗に舐め回し、空いている手で舐めていない乳房を揉む。


「はあ、っん、あっ、」


ちゅう、と。
乳房に吸い付いて、赤い痕を。オレしか付ける事の出来ないオレの証を沢山付けた。

映像はどんどん先に進んでいくので流石に合わせる事も難しいので一時停止した。

これでじっくり時間をかけて、色々味わえるわけだ。




続く。
-エムブロ-